COLUMBUS PROJECT

インサイドセールスが持つべきスキル:課題発見力

2017年1月24日

インサイドセールスが行うナーチャリング業務において、特に課題をしっかり見つけることができる力、課題発見力は大切なスキルです。

課題はお客様もしっかり把握ができていないことも多く、対話を通じて整理・まとめをしていくことが必要になります。

課題発見力とは
顧客の現状を分析・理解したうえで、顧客が望んでいる「あるべき姿」「目標」と現状との差を埋めるためにはどうしたらいいのかを考え、その課題を明確化できる力。

顕在化する課題がすでにあり、それを解決すること(課題解決力)ではなく、課題発見力とは目標とする姿と現状とのギャップに存在する問題点を見つけ出し、さらに良くするためにはどうしたらいいのかを明確化する未来志向の力である。

ENGINEマーケティングコラムより

課題を正しく発見するためのプロセスを整理したいと思います。

 

そもそも課題とは

まず「問題」と「課題」について定義しておきます。

(ビジネスでの言葉の違い)
・問題:現状とあるべき姿との間にあるギャップのこと。
・課題:解決の方向性を含みギャップを解決・解消できる本質的課題のこと。

つまり「課題」は事実状況ではなく、「できる」という実行や解決に向かった指針を含んだものになります。

(例)
問題が「1年間で1億円の売上が足りない」ことだとすると、課題は例えば、
「どうしたら1000人のお客様を獲得できるか」
などになります。これは「1000人のお客様を獲得すること」が問題を解決するための大きな方向性であり鍵になります。

同様に問題が「1年間で1億円の売上が足りない」として、別の課題設定として
「どうしたら一人のお客様で1億円を買ってもらえるか」
とすると、「1億円を買ってくれるお客様の獲得」が大きな方向性であり鍵になります。

「どうしたら今までの顧客(5000人)から平均2万円売り上げることができるか」
も課題設定です。こちらは既存顧客へのアップセリング・クロスセリング施策を考えることになりますね。

さらに別の課題としては
「どうしたら1億円の売上が足りなくても同じ利益を生み出せるか」
という課題設定も可能です。

 
問題が一つであっても、課題の設定の仕方で、その後の解決方法が大きく異なります。また解決の難易度ももちろん大きく変わります。状況や予算などにより解決ができない課題も場合にはありますね。

 

事実情報の収集と整理分類

課題を設定するためには、まずは上記の図で明記した「現状」の正しい把握が必要です。

現状把握のためには事実情報の収集が必要です。

1:ポジティブもネガティブも事実情報をとにかくアウトプットする。
2:情報には主観と客観が含まれるため、主観的情報があった場合は客観的情報に変換する
3:アウトプットした客観的情報・事実情報を分類する

この1~3を2回から3回繰り返してみます。3で情報分類をしたのち、新しい発想や視点が生まれ、別の情報を収集できる可能性があります。

この情報の分類もポイントですが、2つの視点で整理するとまとめやすいです。
ロジカルシンキングでもよく勉強する「MECE」と「ロジックツリー」です。

MECEは抜けなくもれなく、分類事項を整理すること。
ロジックツリーはツリー構造で大分類・中分類・小分類など分類構造を整理すること。

この2点を行うことで、事実情報が整理されていきます。

集まり整理された多数の事実情報が「現状」です。

 

収集情報から課題を発見します

アウトプットされた事実情報とその分類テーマから、解決すべき方向性が見えてきます。その方向性を課題に取り入れることで有効な課題設定ができるようになります。

事実情報と分類テーマを元に課題を設定してみます。

(例)
現状「今の見込み売上が5億円だ」
目標「目標売上6億円」
問題「1年間で1億円の売上が足りない」

事実情報「売上は1社50万円×1000社で成り立っている」
事実情報「1社100万円の企業は200社ある」「毎年同様の比率」

○課題テーマ:ビッグクライアントの獲得強化
具体課題「1社100万円の売上企業を100社作るにはどうしたらよいか」

○課題テーマ:既存顧客の単価アップを実施
具体課題「1社売上を平均50万円から60万円にするにはどうしたらよいか」

○課題テーマ:顧客数を倍増したい
具体課題「1社10万円の売上企業を1000社作るにはどうしたらよいか」

どの課題の方向性で解決を目指すかは組織のリーダーがコミットします。
 

ナーチャリングでは「課題設定」を売る

ナーチャリングフェーズにある顧客は、課題設定があいまいであることが多く、商談に至りません。

顧客がなんとなく抱えている課題テーマを「問題」として捉え、「問題」から「課題」を発見し課題設定を行うことを継続して行います。ナーチャリングではこの課題設定が正しいことを情報提供していきます。

つまり商談獲得においては、自社商品を販売するのではなく、課題の設定が正しいことを伝えていくことが望ましいです。

設定した課題の納得感を高めることで、課題を解決できる自社のソリューションの価値は飛躍的に高まります。つまり受注率が高まります。

お客様と接点を持ったら、顧客の課題設定をどのように行うかに視点を向けることで商談がとても近づきます。

 
ソリューションセールスを超えるイノベーション型セールスに必須な課題発見力。日々の顧客コミュニケーションを通じて高めていきましょう。

<Photo>fotolia


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