「1%なんて小さい、誤差だ」
という打ち合わせでの話がありました。
いやいや、ちょっと待てと。
1%はとっても大きな話だと、思うわけです。
※特にマーケや事業PL上。
ECの転換率
ECでは、アクセス数に対する購買・注文数の比率を大切にしますよね。
いわば、店舗の来店人数に対する買ってくれる人の数です。
転換率は、ECのモデルによって異なりますが、1%とも5%ともいわれます。
その1%の注文=売上&利益で会社や事業が回るわけですね。
こう考えたら、1%がとても大きくて、転換率が1%上がって2%になったら、売上も利益も倍増なわけです。
とても大きい。
経常利益率
こちら、業界別の売上経常利益率です。
EDIUNET 売上経常利益率
もっとも多い、「その他サービス業」は経常利益率3.88%です。
もし売上そのままで経常利益率が1%増えたら、20%以上の経常利益額アップになります。
イノベーター理論
イノベーター理論における、イノベーターは2.5%。
イノベーター(Innovators:革新者) 冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。市場全体の2.5%。
アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者): 流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。市場全体の13.5%。
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者): 比較的慎重派な人。平均より早くに新しいものを取り入れる。ブリッジピープルとも呼ばれる。市場全体の34.0%。
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者): 比較的懐疑的な人。周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。 フォロワーズとも呼ばれる。市場全体の34.0%。
ラガード(Laggards:遅滞者): 最も保守的な人。流行や世の中の動きに関心が薄い。イノベーションが伝統になるまで採用しない。伝統主義者とも訳される。市場全体の16.0%。
マーケティング用語集 イノベーター理論 日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.netより
イノベーターとしての層を獲得できたら、影響力を持ち始めます。それが2.5%。
1%はその4割。小さいでしょうか?イノベーターとしての影響力を感じ始めるころだと思います。
スタートアップからしたら、1%はとても大きい。
売上の1%とコストの1%
売上の1%を上げると新しく何かができると思います。
もし売上1億の企業にとって1%は100万円。
年間100万円の利益が追加されたら、何をするでしょうか。
コストの1%を落とせると、これも新しく何かができます。
もし売上1億の企業で、変動コストが30%としたら、年間3000万円。1%削減で30万利益貢献ができます。
このとき、売上1%あげるのは、少し努力したらできるのではないでしょうか。
契約数を増やす。単価を上げる。価格を変えてみる。
※消費税3%アップはすさまじいインパクトです。
コストの1%削減もみんなでがんばったら、削減できそうじゃないでしょうか。
電気を消す。PCのつけっぱなしをやめる。クーラー、暖房を止める。外注費を交渉してみる。
※たいていの外注先は1%なら全く問題なく応じてくれます。
体脂肪率
個人的な話ですが、体脂肪率が1%落ちるのに1年以上かかりました。
体重1%は70kgの場合、700gで1kgにも満たないのですぐに変動するのですが、体脂肪率は落ちません。
1%落とすのは大変なことです。
真面目な話です(笑)。
日本の人口と1%
日本の人口は2012年現在1.276億人。
その1%は12.76万人。
もし12万人もアプローチできるお客さんがいたら、どうでしょう。
日本雑誌協会印刷部数公表より
週刊ダイヤモンドに匹敵する影響力です。
ダイヤモンドに広告を出すなら、12万人をどうやって獲得できるか、考えたほうが広告費が抑えられるかもしれません。
数字の大きさに惑わされずに1%のインパクトを考える
単純な数字に惑わされずに、「1%」の数字を分解して、分離して、視点を変えて考えてみたら、新しいことが発見できるかもしれませんね。