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売上を増やす正攻法:重要顧客とパレートの法則

2015.01.25

セールス&マーケティング

売上を増やす正攻法はいくつかありますが、クライアント全体の中で、重要顧客を定める、ということは非常に重要です。

戦略的な重要顧客を考えるときに、パレートの法則も重要なので合わせて考えてみます。

パレートの法則

イタリアの経済学者のパレートさんが唱えました。

経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説。
wikipedia

【現代でよくパレートの法則が用いられる事象】
・ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である。
・商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。→ロングテール
・売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
・仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
・故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
・所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。
・プログラムの処理にかかる時間の80%はコード全体の20%の部分が占める。
・全体の20%が優れた設計ならば実用上80%の状況で優れた能力を発揮する。
wikipedia

パレートの法則と20:80の法則は違うとのことですが、企業活動にもかなり当てはまります。

20と80のどちらを狙うかを決める

冒頭で書いた、「戦略的な重要顧客を決める」ことは重要ですが、その前に、
「クライアント上位20%を狙うのか」「クライアント下位80%を狙うのか」
もとても大切な経営判断事項です。「ニッパチなら、20がいいよね」ということではありません。

クライアント上位20%を狙う場合、下記のことがメリットとデメリットとして考えられます。
【クライアント上位20%を強化する】
メリット:1社に対して大きな売上を確保できるため、人材や資源の投資効率が高い。
デメリット:1社の解約が大きなインパクトを持ち、解約時に影響が大きい。
 1社獲得の時間がかかりがちなため、投資余力(ヒトモノカネすべて)が必要。

逆にクライアント下位80%を狙う場合も、デメリットばかりではありません。
【クライアント下位80%を強化する(ロングテール型)】
メリット:数が多いため、負荷分散ができる。1社あたりの資源投資が少なく、横展開しやすい。
デメリット:単価が低く、解約率も一定数あるため新規顧客の獲得も日常的に求められる。

どちらが悪いということではありません。必ず事業を進めていき規模を大きくするにあたっては、80にあたる顧客をどのように安定的に成長させていくかも重要です。新入社員はいきなり重要顧客を持つことはできないことが多いため、組織の成長や人員スキルとの兼ね合いからも80%のクライアントの確保は大切です。

ひとまず今回はクライアント上位20%をどのように組み立てて展開していくかを考えます。

重要顧客の選定

重要顧客を選定する場合、下記の点を観察することが重要だと考えています。

・クライアントの規模が大きい
・自社戦略にマッチする
・長期的な取引が見込まれる
・クライアント決裁者と自社の決裁者の関係性が良好
・クライアント内で紹介してもらえる
・売上額、粗利額が大きい

重要顧客を検討する際に、ただ単に事業規模が大きいからというだけで決定しても、深堀営業ができなければ、拡大させることはできません。決裁者同志の関係性が良好であることはとても重要です。

重要顧客の選定を行ったら、どのように顧客を扱うのか、定めていきます

重要顧客へのサービス

最大限、人の投資を行うことが基本です。
経営層も一緒に営業活動を行い、質が高いエースクラスを担当者に配置することがとても重要です。

重要顧客については特別対応チームを組むことも検討してよいでしょう。

逆にそのような意識がなく、一担当者に委ねているだけではいつまでたっても重要顧客にしきれず、かつクライアント要望に応えられずに売上が伸び悩むでしょう。重要顧客と決めたら、最大限のサービスを行うことは徹底したほうが吉です。

重要顧客化のあとで

重要顧客を判断・決定し、サービスを強化しながら関係性と売上が高まってくれば、さまざまな展開が可能になります。

 案件・取組事例をプレスリリースできる
 クライアントから優良クライアントを紹介してもらえる
 自社の価値を高める共同研究プロジェクトや未来のプロジェクトが組める
 別会社の設立を共同で行う、こともある
 採用速度があがり、優秀な人材が確保できるようになる

など、良い効果は計り知れません。

 
重要顧客を戦略的に定めて、人的投資を行う、攻略していく。

決断と決定の末に、チャレンジをすれば必ず全体の売上アップにつながります。
決断は自社に戻ってきますのですぐにでも取り組みたいですね。

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