COLUMBUS PROJECT

マーケティングを成功に導く「顧客視点」

2018年5月10日

これからのマーケティングは顧客との関係を築くことからはじまります。そのためにも自社の施策を顧客視点で見直すことは重要です。
顧客視点のマーケティングとはどうすればいいのか、ここで考えてみたいと思います。
 

1.「顧客視点」とは?

「顧客視点」は「お客様の声」のようにはっきりと言語化されるものよりは、どちらかというと顧客の潜在的なニーズを表現する時に用いられます。
よく企業でアンケートを実施して「お客様の声」を集める場合がありますがアンケートはどうしても決められた設問に答えるだけで潜在的なニーズを引き出すところまでにはいきません。また、提供者の想定の範囲内でしか作成できないので実際に顧客の求めるニーズではない時もあります。こうして集めた「お客様の声」は顧客視点とは言えません。顧客視点には広い視点と深い考察が必要であり、顧客の立場で考えることは「顧客の背景、市場環境、競合状況などをとにかく理解していこう」という姿勢と思考が求められるのです。
 

2.「自分がお客ならどうするか?」から始まる

では、「自分が顧客の立場に立って考える」とは一体何なのか、具体的にはどうすればいいのでしょうか?
そのためにはまず、マーケティングの戦略を「顧客視点」にシフトする必要があります。
これまでは「自社製品・サービスを使ってもらうにはどうするか?」から始まるマーケティングが多かったかもしれません。でもこれからは顧客の目的を深掘りしていくような「顧客の立場に立って考える」ところから始めることで、これまで全く見えてこなかった顧客の本当のニーズが見えてきます。
 

3.顧客視点へのシフト

マーケティング戦略を「顧客視点」にシフトするためには、マーケティングの枠組みを企業側の視点である「4P」から顧客側の視点の「4C」へと変換させていきます。

「4P」とは経営上、欠かせないマーケティングの要素です。

「4P」
・Product 製品
・Price 価格
・Place 流通チャネル
・Promotion プロモーション(販促)

これを「4C」で捉えなおした場合、次のようになります。

・Customer Value  顧客にとっての価値

商品やサービスは、顧客のどのような価値があるのか、またどのような問題を解決するのか

・Cost  価格

商品やサービスを顧客が手に入れるための価格はどれくらいか
顧客にとって自社から購入して価格面でのメリットがあるか、またリスクがあるのか

・Convenience  顧客にとっての利便性

商品やサービスを顧客が手に入れるためにどれくらい利便性があるか

・Communication  顧客とのコミュニケーション

企業と顧客の双方向によるコミュニケーションがとれているか

4Cの捉えかたは全て「顧客にとって」という考え方から始まっているのがわかります。枠組みの視点を顧客側に変化させるだけで新たな気づきもあるはずです。
 

4.「大切な顧客とはだれか」を考える

顧客視点のマーケティングを実施する上でもう一つ欠かせないことは、自社にとって「大切な顧客とはだれか」を考えることです。これまでの顧客データを見返し、セグメント化して顧客の優先順位をつけていくことで顧客への理解が深まり、一律なサービスの提供ではなくそれぞれの顧客にどのようなサービスを提供すべきか、イメージが出来ます。
顧客への理解が深まったこところで定性調査や継続的にデータ分析を行うことで実際の顧客の声や行動を聞き、より明確なサービスの提供へとつなげることができます。さらに顧客との良好な関係性を長く続けていくことも可能です。
 

5.「顧客視点」は「個客視点」のOne to One マーケティングの時代へ

最近ではマーケティングオートメーション などマーケティングを支援するツールも充実してきたことで、顧客の属性だけでなく、購買行動やWeb閲覧行動など様々なデータを取得できるようになり、顧客をより深く知ることができるようになりました。
さらには何万人、何百万人という顧客に対しても、ひとりひとりに最適なアプローチとコミュニケーションをして売り上げを高めていける「One to One マーケティング」が実現できる環境が可能となってきました。
顧客のニーズが多様化している時代にあって個々の顧客にあった「個客視点のマーケティング」が事業の成功の鍵を握っていると言えます。

まずは自社のマーケティング戦略が顧客視点に立脚しているかチェックしてみてはいかがでしょうか?

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