COLUMBUS PROJECT

パーソナライズドマーケティングの5つの手法を事例と共に紹介

2019年3月1日

マーケティングの中で「パーソナライゼーション」や「パーソナル」という言葉が多く見られるようになりました。近年ではパーソナライズされたマーケティングが、企業にとって収益を上げるために使用する効果的な方法の一つとなりました。
では、「パーソナライズドマーケティング」とは何でしょうか?

パーソナライズドマーケティングとは適切なメッセージを適切な顧客に、正しいタイミングで、最良のプラットフォームで提供するためのマーケティング手法です。

Epsilonの調査によると、「消費者の80%がパーソナライズされたエクスペリエンスを提供する企業を選択する可能性が高く、90%がパーソナライズが魅力的であると感じている」とあります。
調査についてはこちら

完全にパーソナライズされた顧客サービスを実行することで、顧客のブランドロイヤリティを高めることが可能になるかもしれません。けれども、パーソナライズドマーケティングを成功させるのは最も難しい戦略の一つだと世界の多くのマーケターが感じているのも事実です。また、企業の中には、パーソナライズされたマーケティングを実行するにあたり、経験のなさや高度に専門化された業界への進出、予算の問題など様々な障壁に直面する可能性もあります。

本記事ではパーソナライズドマーケティングの事例とともに手法を5つ紹介します。
 

1.パーソナライズされたEメール通知の送信

前回の2019年のデジタルマーケティングのトレンドでも紹介しましたが、Eメールのパーソナライズ化が進んでいます。Amazonが代表的ですが、例えば商品を購入後に「使ってみてどうですか?」などの感想を聞いてきたり、欲しい商品登録をしておくと、「買い忘れはありませんか?」、消耗品であれば「そろそろ買い足しませんか?」などのメールが送られてくるなど、個人的でタイムリーだと感じられるようにメールが送られてくることがあると思います。ランニングシューズを購入すると定期的に健康を維持するための貴重な情報を提供するなどというような例もあります。もちろん、ECサイトに限ったことではなく、他の業種でも活用できる手法です。
参考記事
デジタルマーケティングで成功するためのポイントと2019年のトレンド 

2. 配信にパーソナライゼーションを取り入れる

パーソナライゼーションは、メッセージだけではなく配信に含めることもできます。例えば、アプリ、Eコマースサイト、Webアプリケーション、ソーシャルメディアなどあらゆるデバイスから顧客が希望するチャネルで注文を可能にする方法などもその一つではないでしょうか。注文方法などをわかりやすく、簡単に、時には楽しい方法にするのも大切です。アメリカのドミノ・ピザではすでにこの手法が実践されています。また、ドミノ・ピザ ジャパンにおいてもキャンペーン情報の配信を顧客一人ひとりに適切な情報が配信できるような施策に取り組んでいます。
参考サイト:
https://www.adobe.com/jp/news-room/news/201804/20180412-dominos-pizza.html
 

3. インタラクティブなクイズで体験を深掘り

ニュースとエンターテイメントメディアのBuzzFeedでは、インタラクティブなクイズを用いています。ユーザーが無意識に感じている部分にまで迫るような心理的クイズなどで、より深くユーザーを理解し、その情報によってユーザー個々人に合わせたエクスペリエンスができるような情報提供をしているそうです。
参考サイト
https://www.theodysseyonline.com/ten-buzzfeed-quizzes-find
 

4.特定の顧客に対応する戦略

ネームボトルで有名なCoca-Colaの“ Share a Coke”キャンペーンをご存知でしょうか?コカ・コーラのラベルに名前が印字されたネームボトルは2011年から始まったそうですが、2015年には名前の数も増え、ファンの間でその活用方法もプロポーズや出産、入学祝いなどの様々な特別な場面に広がり、さらにSNSを通じて爆発的に拡散したそうです。つい先日もテレビ番組で初めてデートをして話が弾まないカップルが、ネームボトルがきっかけで打ちとけ合い、結婚まで至ったエピソードが紹介されていました。
このキャンペーンは全米ではミレニアル世代に大きく広まったばかりでなく、あらゆる世代を巻き込むことに成功しました。
参考サイト
https://www.cocacola.co.jp/stories/share_a_coke_2018summer
 

5.顧客の行動を徹底活用

Netflixのストリーミングサービスは、視聴したコンテンツに基づいて映画やテレビのおすすめを表示するだけでなく、映画の表紙をパーソナライズして、自分の好きな俳優や女優を際立たせて画像表示しています。
Netflixでは視聴した作品、日時、視聴時間、利用したデバイス、検索やページスクロールの様子、いつ一時停止して、開始するかなどのトラッキングが詳細に行われ、膨大なユーザーデータを複数のアルゴリズムによって処理しています。
Netflixホームページにはまったく同じ組み合わせの行が表示されているユーザーがいないと言われています。それは、ユーザーがウォッチリストに何かを追加するたびに、3億人以上のメンバープロフィールから情報を収集し、そのデータをパーソナライゼーションの取り組みに取り入れているからだそうです。
参考サイト
https://www.fastgrow.jp/articles/netflix-technology
 

パーソナライズドマーケティングの可能性

BuzzFeedは料理動画を届けるメディアブランド「Tasty」を展開しています。料理動画メディアといえば、日本国内では「DELISH KITCHEN」や「KURASHIRU」がよく知られていますが、「Tasty」の世界規模の展開は群を抜いていると言ってもいいでしょう。現在、世界のFacebookユーザーの4人に1人が「Tasty」を視聴し、再生回数は月間23億に達すると言われています。
Tastyはシリーズ化され、「Proper Tasty」「Tasty Miam」「Tasty Vegetarian」「Tasty One-Pot」「Tasty Demais」「「Einfach Tasty」「Bien Tasty」「Tasty Jr」といったユーザーの嗜好に合わせたブランドが次々と生まれています。
さらにアプリのリリースと同時に「Tasty」を見て調理するユーザーのために、「Tasty One Top」という調理器具を開発しました。
「Tasty One Top」は鍋の表面温度と食品の内部温度を認識する技術を搭載し、温度や時間等を計測。「Tasty」に蓄積された1700以上のレシピと連動することで、ユーザーの調理をサポートしています。
一方、アプリには最新動画の視聴に加え、自分の台所にある食材を使ってできる料理のレシピ検索のほか、時間帯やイベント、難易度や所要時間、食事制限などの条件を指定したレシピ検索までできるようになっています。
こうした徹底してユーザーに寄り添うサービスの姿勢こそが、サービス拡大の源となっていることは間違いありません。

BuzzFeed創業者CEOのジョナ・ペレッティが2017年12月に世界に公開したBuzzFeed社員へのメッセージで次のように語っています。

Tastyは、食べ物に情熱を持つ人々にとって、上の要件を満たす、すばらしい事例です。このモデルをほかのコア事業にも展開し、DIY愛好家向けのNiftyや健康なライフスタイルのためのGoodful、新しくローンチするすべての人が自身のスタイルを表現するのに役立つ美とスタイルのためのブランドに投資します。
Tastyは始まりにすぎません。人々を共通の情熱をシェアしあい、つながるための、新しいブランドを現代的な方法で立ち上げること。

私たちには、まだまだやれることがあるのです。
https://www.buzzfeed.com/jp/jonah/9-boxes-1 より

氏は同メッセージの中で「メディアが多様化していく中で、新しい変化を受け入れる必要がある」と述べています。パーソナライズドマーケティングはこれから更に進化を続け、あらゆる業態、業種に拡大していくことは間違いないでしょう。
 

最後に

パーソナライズドマーケティングの手法は今回紹介した方法のみではありません。企業や業種の数だけその手法や戦略はあると言ってもいいでしょう。また、自社に適したパーソナライズドマーケティングを始めるためには、現状分析や課題の整理、現存の顧客データ整理と分析は欠かせません。
先ほど紹介したドミノ・ピザでは、顧客それぞれに最適なサービスを提供するために、最初に行ったことは分散していた顧客データや販売データの統一化でした。
まずは現状分析を丁寧に行い、自社ならではのパーソナライズドマーケティング戦略を検討してみてはいかがでしょうか。


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