COLUMBUS PROJECT

デジタルマーケティングで成功するためのポイントと2019年のトレンド

2019年2月21日


 

「デジタルマーケティング」とは一体何でしょうか?
HubSpotのブログでは以下のように紹介されています。

What Is Digital Marketing?
Digital marketing encompasses all marketing efforts that use an electronic device or the internet. Businesses leverage digital channels such as search engines, social media, email, and their websites to connect with current and prospective customers.
HubSpot Blog
https://blog.hubspot.com/marketing/what-is-digital-marketing

つまり、インターネットやあらゆる電子デバイスでマーケティング活動を行うことです。企業が検索エンジン、SNSやEメール、webサイトを利用して潜在顧客や顧客と繋がっていくあらゆる手段全てが「デジタルマーケティング」ということになります。
自社のWebサイトを持っていない場合でも、FacebookやTwitter、Line、インスタグラムなどを会社として利用していればデジタルマーケティングが必要となります。
今、ほとんどの企業にデジタルマーケティングが発生しているといっても過言ではありません。
今回は、デジタルマーケティングを実施するにあたり、成果を確実に上げていくために知っておくと役立つデジタルマーケティングの特徴と事前に準備しておくこと、戦略立案のためのフレームワーク、2019年のトレンドについて紹介します。
 

1)デジタルマーケティングの特徴

デジタルマーケティングにはこれまでと違ったいくつかの特徴があります。この特徴を認識しておくことで、成果に大きく繋がることもできれば、新しい顧客層を開拓することも可能です。逆に、使い方を間違えて大きな痛手を受ける場合もあります。

1. 顧客主導

デジタルの中では企業と顧客の互いの影響力が強く働きます。SNSで商品について呟かれ、それが世界に広まり、販売を拡大した企業もあれば、商品の販売停止に追い込まれた会社もあります。日々、SNSに関する良いニュースや悪いニュースが報道されるようになり、多くの人がその影響力を感じているはずです。
顧客が口コミで大きな力を持ち、企業は口コミから多大な影響を受けるようになり、それを無視できない状況にきていると言っていいでしょう。

2. パーソナライゼーション重視

パーソナライゼーション(personalization)はパーソナライズ(personalize)という動詞の名詞形で、何かを個人に応じて変更することを意味しています。
デジタルマーケティングでパーソナライゼーションといえば、AmazonなどのECサイトでの「あなたへのおすすめ」といったリコメンデーションが代表的です。
例えば、Amazonではユーザーの購入履歴や閲覧履歴に基づいてユーザーの好みやニーズに合いそうな商品を提案します。このように、パーソナライゼーションは顧客の閲覧履歴、行動履歴をもとに一人ひとりのためにコンテンツを最適化する技術です。Google検索もユーザーの検索履歴を元にパーソナライズされています。
SEOスペシャリストで fishbat Media, LLC.の創設者でもあるScott Darrohn氏は、コラムの中でデジタルマーケティングの2019のトレンドの一つとして、「Emailマーケティングのパーソナライズ化がより進んでいくだろう。」と述べています。

詳しい内容はこちら

Scott Darrohn “Five Digital Marketing Trends For 2019”

顧客は自分のことを理解している企業、信頼性の高いブランドから自分の好みやニーズに即したオファーを受け取れるようなパーソナライズされた的確なコミュニケーションを望むようになったといえます。

3.数値化された効果検証

デジタルマーケティングでは、マーケティングオートメーションなどのアナリティクスソフトウェアを使ってサイトの閲覧者数をリアルタイムで正確に知ることができるばかりでなく、ユーザーが閲覧したページ数や使用デバイスの種類、訪問元となったサイトなど、ユーザーの履歴データを確認することが可能です。
これらの情報に基づいた効果検証をリアルタイムにスピーディーに行うことが可能なので次の日にはサイトを改善し、新たに分析するということもできます。TVCMや新聞広告などのマス・マーケティングの場合、企画や制作に一定期間必要でした。また、効果検証もデジタルの世界のように顧客の好みやニーズの傾向に至るまでの詳細な履歴情報を得ることはできません。
デジタルマーケティングでは多くの数値を確認しながら最終ステージに到達するまでに戦略を立てることが可能となりました。
 

2) デジタルマーケティングの前に準備すること

ほとんどの企業にデジタルマーケティングが必要な時代にはなりましたが、準備をせずにスタートしても、時間や労力ばかりかかって成果が出ない時もあります。How Toも大切ですが、「何のために」「何をすればいいのか」を確認して、最適な手法を検討していきたいと思います。

1.ゴールを明確にする

デジタルマーケティングに限らず、戦略を立案するに当たってまずはゴールを明確にすることは大切です。目標がはっきりしていなければ、途中でどこに向かっているのかわからなくなり、施策が頓挫してしまう可能性もあります。
目標設定については前回の記事をぜひ参考にしてみてください。
【KPIとKGI】目標設定の考え方とポイント

2.顧客を知る

デジタルマーケティングの特徴でも述べたとおり、顧客主導・パーソナライゼーションに重点を置く戦略立案が必要です。そのためには顧客を分析し、ニーズを把握していかなくてはなりません。
顧客分析については、STP分析が有効です。

STP分析とは、Segmentation、Targeting、Positioningの3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法のことです。
セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲティングでその中から狙うべき市場を選定し、ポジショニングで競合他社との位置関係を決定します。
STP分析の目的は競合他社がひしめく環境の中で自社の独自性や優位性を引き出せる最適なポジションを見つけ出すことです。

ENGINEコラム「セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング:STPマーケティング概要」より

BtoB市場向け分析のポイントなどは以下の記事にまとめてありますので参考にしてください。
「BtoBマーケティングで最初に取り組むべき2つのステップ」

  • 顧客ニーズを検討するツール
    コンテンツ制作などで顧客ニーズを確認する一般的な方法として検索エンジンの利用があります。検索数を調べるツールはいくつかありますが、Googleの公式ツールで利用者も多い「キーワードプランナー」でまずは調べるのもいいかと思います。ただ、月間検索数が「1-10」「10-100」「1,000-1万」「1万-10万」とざっくりした数字になりますので、より詳しく知りたい場合は他のツールを試してみるのもいいかもしれません。事前調査レベルならキーワードプランナーで充分だと思います。

3 競合を知る

デジタルマーケティングではどこに競合がいるのか、何を競合とするのか、検討しておくことは重要です。新規サイトを立ち上げる時など、サイトのデザインやコンテンツ、検索キーワードなど競合サイトから学べることもたくさんあるからです。
競合サイトを調べるツールにはSimilarwebがあります。競合サイトのURLを入れるだけで流入経路や訪問者数、検索キーワードなど様々な情報をみることができるので競合分析、業界分析が可能です。
無料プランもありますので、そこから始めてみるのもいいでしょう。
Similarweb
https://www.similarweb.com/ja
 

3)デジタルマーケティング戦略立案

上記の準備が整えばデジタルマーケティングがいよいよスタートです。マーケティングの戦略立案にあたっては様々なフレームワークがあります。

「AIDMA」は1924年にサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱したフレームワークで顧客の購買までのプロセスを以下のようにフレーム化し、今でも使われています。

AIDMA
「Attention(認知)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」

インターネットが普及すると、新たなフレームワークが登場します。
「AISAS」は電通が提唱した顧客の購買行動を表すフレームワークです。
インターネット上で顧客の購入に至るプロセスを「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Search(検索)」「Action(行動)」「Share(情報共有)」の5段階の顧客心理に分けて分析します。

AISAS
「Attention(認知)」「Interest(興味)」「Search(検索)」「Action(行動)」「Share(共有)」

更に詳細なフレームワークも登場します。
「AISCEAS」はアンヴィコミュニケーションズが提唱したフレームワークです。

AISCEAS
「Attention(認知)」「Interest(興味)」「Search(検索)」「Comparison(比較)」、「Examination(検討)」「Action(行動)」「Share(共有)」

価格比較サイトの普及やレビュー・クチコミを掲載するサイトが消費行動に影響があるとして、「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」を追加しています。

上記のようなフレームワークにあてはめてマーケティング戦略を立案します。事業内容やプロジェクト、サービスなどによっては上記のプロセスにかっちりと当てはまらない場合もあります。この他にもフレームワークは多様に存在するからです。
そういう場合はカスタマージャーニマップを作成し、顧客が自社のサービスや製品を認知してから契約や購買に至るまでの一連の流れを確認し、フレームワークと照らし合わせながらプロセスを検討してもいいかもしれません。
カスタマージャーニマップについてはこちらの記事を参考にしてください。
「カスタマージャーニーマップ作成してマーケティング効果を上げよう」

 

4)2019年のデジタルマーケティングのトレンド

先ほども紹介しましたが、SEOスペシャリストで fishbat Media, LLC.の創設者でもあるScott Darrohn氏は、コラムの中でデジタルマーケティングの2019のトレンドとして5つの視点を紹介しています。

  1. ソーシャルメディアの対話的利用
  2. 動画のSEO対策的な利用
  3. ジオマーケティング(Geo-Marketing)の拡大
  4. Emailのパーソナル化
  5. 新技術の登場

1はソーシャルメディアを使った顧客との対話的なやりとりを通して,企業は顧客の信頼感をますます高めていくことになるだろうということです。また、2ではSEOランキングを改善するために動画コンテンツの最適化がますます進んでいくことを紹介しています。3は顧客がターゲットとする地域にアクセスした時に広告を配信するなどの手法が日本でも広がりつつありますが、地理情報を使ったジオマーケティングがますます拡大していくようです。5は人工知能や拡張現実の技術が今後の企業における顧客サービスとマーケティング戦略を総合的に向上させていくテクノロジーであると述べています。4は先ほど紹介した通りです。
氏は、これらのトレンドのうち、どれか一つでも実践してみることはとても良いことだといいます。また、常に新しい情報をインプットしておくことも大切だということです。
 

最後に

デジタルマーケティングは日々成長し続けていてそのスピードも早いというのが実感ではないでしょうか。新しい情報を常に取り入れようとする努力も必要です。
このようなマーケティング業界の動向にも注目しつつ、デジタルマーケティングの中で自社として取り入れるべきことは何かをじっくり検討してみてください

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