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ABM(アカウントベースドマーケティング )のためのコンテンツ戦略のヒント

2019年7月12日


 

最近、B2Bマーケティングの中では特定のターゲットアカウントの個人に到達することに焦点を当てる手法、ABM(アカウントベースドマーケティング )が注目を集めています。アメリカのほとんどのB2Bマーケティング担当者は、アカウントベースのマーケティング戦略を既に実行しているか、または実装を検討している段階だとも言われています。
 

ABM(アカウントベースドマーケティング )とは

アカウントベースドマーケティング(ABM)は、特定の市場内のターゲットアカウントに販売およびマーケティングリソースを集中させるBtoB戦略です。 可能な限り多くの見込み顧客に接触する広範囲にわたるマーケティングキャンペーンの代わりに、ABM戦略は定義済みの一連の名前付きアカウント、いわゆる具体的な企業に対してマーケティング・営業活動のためのリソースを集中させます。
ABMではアカウントのターゲットとして定義する対象が市場でなく、より具体的な個別の「企業・団体」となります。
ENGINEコラムABM(アカウントベースドマーケティング)で売上高を伸ばすには?より

 

ABM導入のメリット

・生産性の向上
企業の中でシステムやデータベースは「自社内で開発し所有する」から、「SaaSやクラウドサービスを利用する」という方向性に変化しつつあります。と同時に、クラウドサービスを利用することで、ビジネスの生産性や投資率を高めていける体制にシフトしていきます。

・マーケティング活動の効率化
ABMでは特定の企業に絞ってマーケティング 活動することができるので、限られたリソースや資源を有効活用することができ、マーケティングの効率化にも繋がります。また、マーケティング 部門と営業部門での案件に対する認識も統一することが可能です。

・集中した営業活動
ABMにおいても当然、STPは重要です。ターゲティング段階で自社の既存顧客のデータやインターネットやデータバンクなどから入手したあらゆる情報を使って自社にとって利益率の高い企業を絞り込み、その企業に集中して営業活動を行うことができます。
 

ABMのためのコンテンツ戦略

今回は、実際にABMをスタートさせた場合に必要なコンテンツ制作要件をサポートするためのヒントをご紹介します。

リード中心からアカウント中心のマーケティングへと焦点を移すことは、特定の会社の人々のグループに対してマーケティングを行っていくことになります。
ここで、パーソナライズされたコンテンツが必要となります。各ターゲットアカウントに関連性の高いコンテンツを配信することで、カスタマーエクスペリエンスを向上させ、全体的なマーケティング結果を向上させることができます。次の4つの順番で見ていきたいと思います。

  1. ペルソナの構築
  2. コンテンツの開発
  3. コンテンツのパーソナライズ
  4. リードナーチャリング

 

1)ペルソナの構築

ターゲットアカウント別にペルソナを作成し、それぞれの職務ニーズとコンテンツ要件について考えることから始めます。以下は一つの案として参考にしてください。

1:ターゲットアカウント内の購入者

もっとも重要な階層であり、主な意思決定層です。次の項目などを確認しておきましょう。

  • 彼らはどのような問題を解決しようとしていますか?
  • 彼らはどのように決定しますか?
  • 彼らはどのように情報を収集しますか?

2:ターゲットアカウント内のインフルエンサー

これらの人々は購買権限を持っていないかもしれませんが、ベンダーの選択と購買プロセスに影響を与えます。以下の項目を確認しておきましょう。

  •  インフルエンサーとは?
  •  買い手に対する彼らの役割は?
  •  彼らは具体的などのような課題に取り組んでいますか?
  •  彼らの情報の提供方法は?(どんなSNSで、手法は何かなど)

3:ターゲット業界の専門家

  • 彼らの話題は?、また、書いている内容は?
  • 彼らのアイデア共有場所は?
  • 彼らの影響力の強め方は?

 

2)コンテンツの開発

ペルソナ毎のコンテンツを開発します。
ターゲットアカウント内の人々が実際に読み、共有したいストーリーを作成する必要があります。
適切なフォーマットで配信された特定のコンテンツを提供して、各ペルソナをエンゲージします。 コンテンツがそれぞれのニーズ、課題、および成功の目標に基づいた内容となっていることを確認してください。

ペルソナ別のコンテンツ例

  1. 購入者
    評価や選択段階では、製品の比較を頻繁に探しています。 この種の情報は簡単な図表またはインフォグラフィック形式で簡単に配信できます。
  2. インフルエンサー
    特定の課題とニーズに焦点を当てた短い動画などが好評のようです。
  3. 業界の専門家
    ダウンロード可能なeBookなどの詳細な調査研究に関心を持つ傾向があります。

 

3)コンテンツのパーソナライズ

コンテンツを制作するときは、幅広いグループと個人の両方にアピールするという観点から考えます。

  1. 特定の業界の人々に関連するコンテンツを作成する
  2. ターゲットアカウントですべてのペルソナ向けにデザインされたコンテンツを作成する
  3. 優先度の高いアカウント内で個人のコンテンツを作成する

1業界向けのコンテンツ

ABMの中で最も幅広いのは業界にアピールすることです。 Webパーソナライゼーションと組み合わせて業界固有のeBookを使用すると、このターゲット業界内のすべての見込み顧客に関連性のあるコンテンツとメッセージングが提示されます。

2購入者とインフルエンサーのためのコンテンツ

ターゲットアカウントはバイヤーおよびインフルエンサーの段階別のペルソナにコンテンツを提供します。

  • 認識段階では、情報コンテンツとメッセージングを使用できます。
  • 興味と評価の段階では、ターゲットアカウントに関連する事例や具体的な内容を追加することでケーススタディやeBookをパーソナライズします。

3 個別のコンテンツ

1対1の通信方法を使用した高度にパーソナライズされたコンテンツについては、最も優先度の高いABMアカウント内の1人または2人の主要人物をターゲットにします。招待状のみのイベントや、個人宛のダイレクトメールなど、特定のコンテンツを集中的に扱うことが重要です。
 

4)リードナーチャリング

ABMはデジタル努力だけで終わりません。ターゲットアカウントでの見込み顧客は、時間をかけて育成する必要があります。

ABMの取り組みを支援するためのデジタルではないマーケティングのアイデア
1優先順位の高いABM連絡先に最近の事業報告やニュース記事を送ります。
2手書きの手紙なども時には効果的です。
3地域のイベントに個人的な招待状を送り、深い関係性を築きます。
 

ABMの成功のためのコンテンツ戦略を

コンテンツ戦略がペルソナの最大の課題やニーズに対応できるように検討しましょう。コンテンツを可能な限りカスタマイズしてパーソナライズ化し、デジタル以外のチャネルも効果的に活用すると良いと思います。今回ご紹介した項目は参考事例ですので、自社のターゲットに合わせてペルソナの構築やコンテンツ開発を進めて見てください。

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