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セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング:STPマーケティング概要

2018年5月31日

「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」はマーケティングの基本戦略です。セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字を取ってSTPと称されます。この3つのステップ使ったSTP分析でターゲットの絞り込みとポジショニングの設定をします。
 

1.STP分析とは

STP分析とは、Segmentation、Targeting、Positioningの3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法のことです。
セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲティングでその中から狙うべき市場を選定し、ポジショニングで競合他社との位置関係を決定します。
STP分析の目的は競合他社がひしめく環境の中で自社の独自性や優位性を引き出せる最適なポジションを見つけ出すことです。
ビジネスを展開するにあたり、自社のサービス・製品の立ち位置を明確にすることは非常に重要です。どのような立ち位置を取るかでその後の戦略や高い利益を得られるかどうかに影響を及ぼすからです。
次に、STPの各項目の詳細を見ていきたいと思います。
 

2.セグメンテーション (Segmentation)

セグメンテーションは市場全体で似たようなニーズを持つ顧客層に分類することを意味し、市場細分化と訳されます。
製品やサービスを展開するにあたって利用してもらいたい顧客像を明確にすることは重要なポイントの1つです。
さまざまな方法を用いて市場を分けることで、自社が提供する製品やサービスを本当に必要としているのはどのような顧客なのか、明確にしていく作業がセグメンテーションです。
セグメンテーションを行うための一般的な方法を4つご紹介します。

① 地理的変数(ジオグラフィック)
地理的に分割する方法です。国や地域、都市、市区町村、気候などでセグメンテーションを行います。地図や国の調査結果などを参考に判断します。

② 人口統計的変数(デモグラフィック)
人口統計分布に基づいたセグメンテーションです。年齢や性別、家族構成や職歴など社会的な階層がその変数になります。

③ 心理的変数(サイコグラフィック)
価値観やライフスタイル、性格や好みなどといった個人の心理に基づいた情報に夜セグメンテーションです。アンケート調査やヒアリングなどを行った結果から判断することが一般的です。

④ 行動変数(ビヘイビアル)
購買頻度・買い替えのタイミング・使用用途などといった個人の行動によるセグメンテーションです。
例えば、曜日や時間帯での売上げからそれに合わせたプロモーションを仕掛けるなど顧客の行動を分析し、その行動をパターン化してセグメンテーションを行うことはよくあると思います。
 

3.ターゲティング(Targeting)

ターゲティングは細分化された市場からどのセグメントを自社のターゲットとするのかを決定します。ターゲティングを効率よく行う際に便利な3つの方法をご紹介します。

①無差別型マーケティング
セグメントされた市場の違いを無視して、共通の製品・サービスを提供する方法です。

②差別型マーケティング
複数のセグメントされた市場に対して、それぞれのニーズにあった製品・サービスを提供する方法です。
ジャンルの似た商品を機能別に販売したり、複数タイプの料金設定など多くの企業で採用されています。

③集中型マーケティング
1つもしくは少数の市場に集中してマーケティングしていく方法です。高級メーカーやベンチャー企業などが活用しています。
 

4.ポジショニング(Positioning)

ポジショニングは、顧客に対して自社の製品・サービスの他社との「差別化」を行い、市場における位置を決めることです。差別化を行うために競合他社と比較する市場のニーズ、いわゆる価値軸が必要です。何を軸にするかによって、その後の戦略が変わってきます。製品の特性や顧客が得られるメリット、使用される場所や人物、競合製品との違いなど多くのポジショニングの種類の中から、自社にとって何が重要なのか様々な視点から検討し、設定しましょう。
比較するための軸は複数用意することが望ましいですが、同時に多くの軸で比較するとかえってデータが複雑化してポジションが明確にならない場合があります。そのため、同時比較をする際は1〜4つ程度がオススメです。
競合他社と比較するときはマップなどを作成し、自社が勝負できるポジションを決めていくとわかりやすいと思います。
 

ポジショニングマップについては、関連記事 マーケティング担当者はおさえておきたい!「ポジショニングマップ」の作り方 をご参照ください。 

 

5.STP分析を行うメリットと注意点

STP分析を行うことでどのような顧客がどの程度どの市場に存在しているのか、顧客のニーズの分布を整理することができます。また、自社のプロモーションの方向性を明確にすることも可能です。
ただ、STP分析はあくまでターゲットを絞り自社の立ち位置を確認するためのフレームワークです。販売方法などは他のフレームワークを活用するなどして考えなければいけません。STP分析のみで満足せず、多角的な視点から考えるようにしましょう。
また、一度のポジショニングで満足することなく、成長率などを考慮して導き出した市場が本当に適切かどうか別角度からの検討や、間隔をおいて何度もポジショニングを再考し、その時にあった位置を把握することも大切です。
 

 関連記事:「セグメント軸を明確にする」 

 

6.まとめ

STPはマーケティングの中核と言われ、自社の製品・サービスの内容や価格を決めていくうえで必要なフレームワークとなっています。ぜひ積極的に取り入れて見ましょう。
必ずしもセグメンテーションから始めなくてはいけないということではありません。
まずは着手しやすい項目から始めてみるのもいいと思います。
  


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