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ABM(アカウントベースドマーケティング)で売上高を伸ばすには?

2019年6月21日

BtoBビジネスでは契約・購入までの販売サイクルが長いことが特徴です。一般的にはマーケティングやセールスの成功のために、広くリードを獲得していくリードジェネレーション戦略が取られています。この手法では、営業に大量のリードを送り込むことが可能です。
ただ、長期間の中ではどうしても漏れてしまうリードもいるかもしれません。セールスとマーケティングの間のミスアライメントもその一因です。
セールスとマーケティングを統合し、目標を達成する別の有効な方法としてアカウントベースドマーケティング(ABM)があります。
 

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは

アカウントベースドマーケティング(ABM)は、特定の市場内のターゲットアカウントに販売およびマーケティングリソースを集中させるBtoB戦略です。 可能な限り多くの見込み顧客に接触する広範囲にわたるマーケティングキャンペーンの代わりに、ABM戦略は定義済みの一連の名前付きアカウント、いわゆる具体的な企業に対してマーケティング・営業活動のためのリソースを集中させます。
ABMではアカウントのターゲットとして定義する対象が市場でなく、より具体的な個別の「企業・団体」となります。

ABMは今、アメリカで急激に注目を集めています。
それは、BtoBビジネスの性質上、大量の新規リードを集め、興味やニーズを育成するプロセスに時間をかけるよりも、最初から成約の可能性が高いターゲットアカウントを明確にしてエンゲージメントを深め、クロスセルやアップセルなどに注力したほうが、効率的に成果が得られるとした考えからです。
マーケティングオートメーションやCRMなどのソフトウェアの開発が進んだことでアカウントを選定し、リード毎の個別コミュニケーションが可能になったこともABMの広がりに影響しています。
 

ABM( アカウントベースド マーケティング)の特徴

ABMは特定の アカウントに対して施策を実施するという点が最大の特徴です。
特定のアカウントに集中することで、マーケティングチームとセールスチームの努力をより効果的に行えるようになります。購入者がパーソナライズされたメッセージを受信することも可能です。
特定のアカウントを選定するためには、予測だけの曖昧なペルソナ設定ではなく、対象企業に対するより詳細な情報を集めて選定する必要があります。
 

ABMの実施

1.最適なターゲットアカウントプロファイルを作成する

購買担当者のペルソナを作成することは当然重要ですが、ABMではターゲットアカウントのプロファイルにも注目する必要があります。 プロセスは似ていますが、年齢や教育などの人口統計に焦点を当てるのではなく、業界、企業規模、主要な意思決定者、および共通の問題点に注目します。

キーアカウントの特定

・ 業界
・ 企業規模
・ 主要な意思決定者
・ 年間売上
・ 所在地
・ 顧客の種類
・ 問題点

2. CRMデータを作成する

各アカウントをよりよく理解するため、CRMに必要なすべてのアカウントデータを活用できるようなデータの構築に重点を置きます。 たとえば、特定のアカウント用のホワイトペーパーを作成した場合、データをより的確に絞り込むために、次のような特定の情報を読者に提供してもらうような仕組みで情報収集を工夫してみるのもいいかと思います。

Q1.課題の解決策を評価しましたか?
Q2.予算はいくらですか?
Q3.主要な意思決定者は誰になりますか?

3.ターゲットを絞った、パーソナライズされたコンテンツを作成する

業界の問題に対処するホワイトペーパーなど、拡張可能なコンテンツを開発し、パーソナライズされた認証やマイクロサイトを介してオンラインで配信します。
1つのコンテンツを書いて連絡先リスト全体に広めるのではなく、特定のアカウント(または業界)に関連する非常に具体的な問題についてのコンテンツを作成することがポイントです。

4. CRMのワークフローと販売サイクルを確認する

CRMで連絡先、見込み顧客、商談などが適切なアカウントに紐付けされていること、および販売プロセスの各段階で意思決定者が特定されていることなどを目指します。
アカウントの進捗を確認しながら、マーケティングのコンテンツやメッセージを最適化しているかどうか、確認することも大切です。
電子メールは非常に効果的なABM戦術です。 見込み顧客がリサーチと購入のステップを進むにつれて、高度にパーソナライズされたEメールを送信してメッセージを調整できます。
販売プロセスのすべての段階でマーケティングの影響と販売実績を確認しておけば、今後の新たな事業展開にも役立ちます。

5.定期的な全体ミーティングを開催する

営業部門とマーケティング部門の両方で定期的にチームミーティングを開催することで、全員が同じ土俵にいることを確認し、お互いの取り組みをサポートします。たとえば、営業チームが特定の商品を特定のアカウントにプッシュしている場合、マーケティングはそのユーザーに適したコンテンツを作成することによって支援できます。

6.インサイドセールスを効果的に使う

アカウントに紐づく担当者データに行動情報を付与する場合、これまでの接点を分析することで課題などが浮き彫りになります。
展示会、セミナーなど情報や電話問い合わせ、WEBの閲覧履歴などオンライン・オフラインを組み合わせて情報を紐づけていきます。
行動情報を紐づけておけば、どこに力点を置くべきか予測ができます。
例えば、担当者がセミナーページにアクセスしてくれたものの申し込みには至らなかった、というケースがあったとします。
「なぜ、申し込まなかったのか?」を一連の行動情報から掘り下げ、セミナー内容が担当者の課題とマッチしていなかったのでは、という判断もできます。
こうした場合、担当者へのテレコールで現状や抱えている課題は何かをそれとなくヒアリングする際の手元資料としても活用が可能です。
また、テレコールからBANT情報を収集できれば営業活動をより優位に進めることも可能です。

BANT情報についてはこちらの記事を参照ください。BANT情報を収集するためのヒアリングシートをダウンロードできます。
BANT情報のつかみ方
 

まとめ

ABMはマーケティングとセールス対象を個別の「一人」からもっと俯瞰的にみた「アカウント」という面で捉えていきます。そのためには、顧客となる企業の情報を的確に捉えていくことが大切です。
まずは対象企業特定のための各部門にまたがる顧客データの整理などからスタートしてみましょう。

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