COLUMBUS PROJECT

【KPIとKGI】目標設定の考え方とポイント

2019年2月13日

これまで、いくつかの記事の中で「目標をしっかり立てましょう」と訴えてきたものの、「どうやって目標を立てるのか?」といった目標の立て方については触れてきませんでした。
もちろん、各企業や業種・業態で目標の立て方も内容も違いますし、会社の中で先輩や上司から教わったそれぞれのやり方もあります。
そこで今回は目標を立てる時の考え方と基本的なポイントについてご紹介したいと思います。会社で既に存在する目標を達成するための参考にすることもできると思いますし、目標設定の見方を変えていくことで成果UPにつながる可能性もあります。
参考にしてみてください。

1.まずはビジョンを確認する

後ほど詳しく述べますが、目標は具体的に数値などで設定することが基本です。具体的な目標設定の前にまずはビジョンを明確にしておくことで、「なぜその数値にすべきなのか?」といった具体性への裏付けになります。
ビジョンは「この製品を提供することで、顧客や社会にどうなってほしいのか」「企業としてどうなりたいのか」など、将来像ともいうべきものです。また、「バリュー」として「どのような価値を社会に提供していく企業なのか」を掲げる場合も多く見受けられます。
例えば、ある法律事務所のビジョンは「充実した人生を送るお手伝いができるパートナーに」というものでした。そこから、どんな事業に力を入れ、事務所として特色を出していくか検討していきました。「人生のパートナー」ですので一生のお付き合い、また何世代にもお世話ができるサービスです。
ビジョンを明確にすることは大きな道標となります。最近では「ビジョン」や「ミッション」が現代経営において重要事項と認識されて、コーポレートサイトなどでも大きく掲載する企業が多くなりました。
マーケティングは顧客創造を担う場所であり、経営マネジメントの一翼を担うポジションです。会社や事業のビジョンを実現していくことこそ、大きな目的と言えるかもしれません。
 

2.次にゴールを設定する

ゴールはチームで共有する事業やプロジェクトの最終目標です。具体的な数値で設定することが必須です。
目標設定には売上高や利益額、市場シェアなどが指標に使われます。この時の基本的な要件としてよく使われるのが「SMART」と頭文字をとって呼ばれる5項目です。
SMARTについて簡単に紹介します。

  • Specific (具体性)

目標設定は「認知度拡大」「売上げ拡大」など、漠然とした目標ではなく誰が読んでもわかるように明確で具体的な表現で示す必要があります。具体的にすることでチームや関係者がどこに向かっていけばいいのかブレずに進むことができるからです。

  • Measurable(測定可能な)

目標の数値化です。達成度合いを本人や上司、チーム全体で判断できるようその内容を表します。

  •  Achievable(達成可能な)

達成不可能な目標を設定してもうまくいきません。モチベーションが低下して、だんだん行動できなくなる可能性もあります。

  • Relevant(関連性)

目標は会社の経営目標に関連しているものであるべきです。いわゆるビジョンに沿っているかどうかということになります。

  • Time-bound(時間限定)

いつまでに達成するか、期間を設定します。

まとめると、「目標は具体的に数値化し、達成可能な範囲で経営指標に基づいて時間を限定して設定する」ということが目標の要件定義になります。
 

3.KPIとKGIの設定

最終目標を達成するために、KPIを設定します。
KGIは最終成果(ゴール)を評価する指標、「重要目標達成指数」(Key Goal Indicator)、KPIは最終成果までのプロセスを見る指標、「重要業績評価指数」(Key Performance Indicator)です。KGIもKPIも要件をまとめるポイントは「SMARTに」ですが、KPIを上げる度に最終ゴールであるKGIが達成に近づいていくという関係性を作り上げる必要があります。
最終目標のKGI達成のためにKPIがどれだけ重要なのか、設定の基本的な考え方と共にさらに詳しく見ていきたいと思います。

KPI設定の考え方

KPIをどのように設定していくかは、企業や業種によって違いがあります。
ここでは、架空サイト製作のプロジェクト実施におけるKPIの設定の仕方について考えてみたいと思います。
このプロジェクトのKGIを「製作発注依頼」とします。以下の図は各フェーズの施策を表したものです。この場合、KPIとしては以下の3つを設定できると考えられます。

①認知フェーズ

「こういうサイトがある」「こういう会社がある」と知ってもらうためにweb広告で告知するなどの施策が考えられます。SEO対策もあるでしょう。このフェーズでのKPIは「広告流入や自然検索などからサイトを訪れてくれた新規セッション数」となり、サイトをクリックしてファーストページを見てくれたPV数などをKPIにします。

② 情報収集フェーズ

サイトを回遊し、発注につながる重要なコラムなどのコンテンツを閲覧するページビュー数や、メルマガ登録数などをKPIとして設定します。ここで、webフォロー施策などと連携して次の行動にうつってくれるようにそれぞれのユーザーにどんな情報を提供するか検討するのもいいかもしれません。

③ アクションフェーズ
発注にもっとも近いKPIになります。問い合わせメールや電話相談、展示会やセミナー参加など何かしらの行動を起こした人数をKPIとします。

上記のKPI設定はシンプルに行ったものですが、製品やサービス、それぞれの顧客行動によって設定するポイントも違うと思いますが、複数設定して分析していくことになると思います。

KPI設定する意義とは

マーケティングや営業にとってPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルを回すことはとても重要です。
KPIは数値化された指標なので明確な評価ができ、改善も具体的にできます。また、KPIは中間指標なので様々な状況に応じてある程度変更することも可能です。KPIによって素早くPDCAを回すことでKGI達成に向けて最良のルートを辿ることができます。
さらに、KPIを設定することでチームの足並みを揃えることもできます。KPIは誰が見ても理解できるように設定し分析していくので、チームを常に同じ方向に向かわせることが可能です。
 

最後に

目標の設定後はその目標を達成するためのセグメントやターゲット選定、ポジショニングなどをしていくことになると思いますが、全てスムーズに進むわけではありません。KPIと同時に事業領域を検討していくなど試行錯誤の繰り返しがあるかもしれません。ただ、最初から全てを完璧にしてスタートする必要もありません。大事なことは目標を設定して大きな絵だけ描いてほっとくのではなく、KPIを設定し、こまかくPDCAを回しながら軌道修正を行って進めていくことではないでしょうか。また、KPIが達成できなかったからといってその施策全てが失敗なわけでもありません。「なぜ達成できなかったのか」を検証することで突破口を見つけることもあります。既存事業であっても目標を再検討できますので、もう一度、目標をチェックしてみてください。

セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング:STPマーケティング概要

ページTOP▲