COLUMBUS PROJECT

カスタマージャーニーマップ作成してマーケティング効果を上げよう

2018年10月3日

マーケティングで成果を出すためには、顧客の行動や思考、感情をどれだけ把握できているかはとても重要です。

顧客が今、何を求めているのか、何が問題なのか、または困っているのかなどの理解が浅ければどのようなタイミングでメッセージを伝えるべきか、どんな対応をすべきなのかもわからず、精度の高いマーケティング施策を打つことはできないでしょう。

今回は、顧客の行動・思考・感情を理解するために使われるカスタマージャーニーマップでマーケティング効果を上げるために最低限知っておきたいポイントをご紹介します。
 

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーとは、企画や事業などを立ち上げる際にあらかじめ設定したペルソナの動きを可視化したものです。
ペルソナが自社のサービスや商品を購入するまでの行動や思考、感情は時系列で刻々と変化していきます。このペルソナの動きを可視化したものがカスタマージャーニーマップです。
カスタマージャーニーマップはペルソナの動きを可視化して顧客とのタッチポイントを洗い出し、適切な場所・タイミングで適切な情報を伝えることができるようにする設計図なのです。
 

カスタマージャーニーマップを作成するメリット

1.顧客理解が深まる

顧客がどのような購買プロセスで、自社の製品・サービスを購入しているかをマーケターが詳細に把握するのは難しいものです。
カスタマージャーニーではペルソナの行動・思考・感情などの動きを時系列で可視化するため、顧客の想定される体験の全体像を断片的な情報としてではなく、ストーリーとして理解することが可能です。

2.顧客視点で施策を立案できる

顧客の購買体験全体を可視化することで、顧客視点で考え、顧客に寄り添ったマーケティング施策を考えられるようになります。
※顧客視点の関連記事はこちら
マーケティングを成功に導く「顧客視点」

3.社内で共通認識が持てる

カスタマージャーニーマップを作成することで、チーム全体が顧客の行動に対して共通認識が持てるため、コミュニケーションミスなどを防ぐことができます。チーム内だけでなく、部署内や部署を越えて顧客に対する共通認識が持てるようになり、施策の立案、見当が精度高く、スムーズにできるようになります。
 

カスタマージャーニーマップの作り方

1. ペルソナ設定

カスタマージャーニーマップを作成するにあたり、対象にするペルソナを明確にします。「自分たちの顧客は誰なのか」を考えることは非常に重要です。ペルソナ設定については、こちらの記事も参考にしてみてください。

ランディングページ作成前にやるべきこととポイント

ペルソナを設定する際は、性別、年齢、性格、居住地、家族構成、職業、業種、年収、役職、趣味、過去の経験など可能な限り細かく項目を設定し、まるで一人の人間が浮かび上がってくるようにすることが大切です。

2.ゴール設定

カスタマージャーニーのゴールを設定します。問い合わせなのか、購入なのかなど、どこまでを範囲にするかによって、集める情報、考える施策は大きく変わります。

3.フレーム設定

カスタマージャーニーマップを作成するにあたり、情報を収集・マッピングしていくフレームを設定します。初めて作成する場合は基本のシンプルなフレームワークを使うことをおすすめします。
最もシンプルなフレームワークは
・ 横軸に「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」などの購買プロセス
・ 縦軸に、タッチポイント・行動、思考、感情
などになります。

<フレームワーク図>

4.顧客に関する情報収集

カスタマージャーニーのゴールとフレームを設定したら、情報収集を行います。
データ分析やユーザーインタビュー、ユーザーテストなどの社内に点在している顧客情報を収集します。
BtoB企業の場合は過去の問い合わせ情報やSFAに入っている商談・受注情報、展示会やセミナーで収集したアンケート、カスタマーサポートの対応履歴、製品やサービスへの満足度調査などのデータを活用します。顧客にインタビューをしたり、市場調査を行ったり、追加で情報を集めるのもいいでしょう。

5.マッピング

マッピングは、最初はラフに作成します。3で設定したフレームに沿って、顧客の行動、思考・感情などをマッピングしていきます。個人で黙々と作業するよりも、部署や役職を横断したメンバーを集め、ワークショップ形式などで進めていくと多様な視点も出て、マップの作成がより充実したものになります。

出典 https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/27/16409

ワークショップ形式などでブレストを行い、様々な意見を出したものを付箋などでマッピングし、最後にパワーポイントなどで作成し、テキストだけでなく、写真やイラスト、アイコンなどを使って誰もが見やすい形にしておきましょう。

6.課題の抽出、改善案の策定

カスタマージャーニーマップで顧客の行動や思考、感情の動きを描きだした後はフェーズごとに全体を俯瞰して、提供すべき価値のポイントがどこに存在しているか検討します。
カスタマージャーニーマップの最下部に企業側の課題という項目を入れておけば、各フェーズの課題点をわかりやすく把握することが可能です。
 

カスタマージャーニーマップの作り方のポイント

1.できることからシンプルに作る

カスタマージャーニーマップは最初から完璧なものにしようとして細かく作り込みすぎないことがポイントです。
まずは、シンプルにラフな感じで作ってみます。社内の関係者で共有しながら様々な意見を取り入れてブラッシュアップしていくというプロセスの方が結果的には効率的でもあります。自分たちが顧客についてどこが理解できていないのか、明確にもなるので、どこを強化すべきなのかもわかります。

2. 見直しとバージョンアップを心がける

作成したカスタマージャーニーマップは1年もすると、現実とそぐわないところが出てきます。現実からずれたジャーニーマップを活用し続けると成果がどんどん下がっていってしまいますし、顧客離れにもつながります。
半期や1年毎にジャーニーマップを必ず見直し、常にバージョンアップできる仕組みを組織内に持つようにしましょう。
 

最後に

カスタマージャーニーは、顧客視点でマーケティングを再構築するための一つの考え方です。SNSが定着してから、ユーザーが商品やサービスを購入するまでのプロセスが多極化しています。この状態を時系列で整理できるのがカスタマージャーニーです。カスタマージャーニーマップを作成するためには、顧客情報の整理や社内調整など時間がかかることもありますが、カスタマージャーニーマップは最初から完璧にはできません。ここで紹介したことを参考に、できることから取り組んでみてください。

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