2019年3月8日
デジタル時代とも言える今、ビジネスの成長戦略は絶えず進化しています。
デジタルの利点の1つには、顧客の行動を追跡しやすいことがあげられます。常にオンラインの行動を分析し、それらの行動が今後のビジネスの成長にどのように影響するかを判断することができるからです。
ただ多くの調査や統計、分析結果から何を抽出するべきか、どういう視点で見ていけばいいのか、使う側が賢明に判断することも必要です。
マーケティング、Webデザイン、ブランディングに関する統計情報と、そこから学べることをBtoBからの観点も交えてまとめました。ビジネスを迅速かつ効率的に成長させるのに役立てていただければと思います。
経済産業省の調査によると、スマートフォンを経由してのEC市場規模が2017年には全体の35%に達しています。
「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より
ユーザーがインターネットを使う場合、スマートフォンが基準になりつつあることも考えると、スマートフォン経由による物販が今後も広く普及することは間違いありません。
この傾向に遅れないように、企業はモバイル最適化のデザインを検討する必要があります。
そのためには直感的なナビゲーション、簡単なチェックアウト、そしてすべての画面サイズに適応するといった要件定義が必要となるでしょう。
さらに一歩踏み出すなら強力なオムニチャネルマーケティング戦略を実施することです。オムニチャネルマーケティングはユーザーがデスクトップやモバイル、オンライン、オフラインなどチャネルの違いを意識せずに商品やサービスを購入することができるマーケティング戦略です。
すべての媒体でオンライン販売プロセスを一貫させることができ、ブランドアイデンティティが向上し、信頼できるユーザーエクスペリエンスを生むことができます。
総務省の統計結果の中に、BtoB-EC市場規模の調査結果もあります。
2017年のBtoB-ECの市場は約317兆円と前年から9.0%増え、大きなマーケットに拡大しています。業種別に上昇率が高いのは「産業関連機器・精密機 器」、「鉄・非鉄金属」、「卸売」、「輸送用機械」 の順番となっています。
これはECシステムを提供する企業の新規参入や、BtoB向けのASPを展開する企業が増えていることが主な要因です。また、小規模の業者でもクラウドの活用によって、これまで高額だったインフラ・システムを「必要な分だけ月額利用」するようなタイプも可能となり、BtoBのECを使える環境が整ってきました。その結果、BtoB-ECのすそ野が広がり、市場規模の増加に一役買っていると言えるでしょう。
「レイアウトが魅力的でない場合、ユーザーの38%がWebサイトとのやり取りを中止する」という調査結果があります。
https://www.bluecorona.com/blog/20-web-design-facts-small-business-owners/より
さらに、画像が読み込まれない場合は39%が参加を停止し、サイト自体の読み込みに時間がかかりすぎる場合は39%が参加を停止するそうです。
画像サイズや読み込み時間を最適化しておくことでユーザーにとってより楽しいエクスペリエンスを創造し、検索エンジンのランキングを向上させることができます。
ユーザーに対して購入の可能性を高めてもらうためには、ユーザーが求めるアイテムや情報を見つけることを確実にするようなデザインを検討する必要があるでしょう。
すべてのプラットフォームで一貫したブランド表現を行うことで、収益は最大23%増加します。
https://finance.yahoo.com/news/leading-branding-agencies-create-consistent-101500521.html
ブランディングを行うことで、ターゲットとなる市場で「〇〇といえばあの商品」という意識を根付かせることが可能になります。
ソーシャルメディアからWebサイトのデザイン、製品のパッケージ化まで、あらゆるチャネルで統一されたブランドアイデンティティを構築することは潜在顧客、見込み顧客に対して、ブランドへの意識と認識を高め、顧客獲得につなげていくことができます。
アメリカの「DesignRush」という企業がWebデザイン、デジタルマーケティングやシステム構築などの各専門会社数百社を調査し、その分析結果に基づいてブランドのアイデンティティを成功に導くための方法を5つ紹介しています。
参考:https://finance.yahoo.com/news/leading-branding-agencies-create-consistent-101500521.html
実際のブランディングプロセスを開始する前にブランド戦略を作成します。
ブランド戦略の構築には、市場調査の実施、ターゲット人口統計の定義、目標決定、ブランドのビジョン、コアバリューの確認などがあります。
ロゴデザインのポイントとして、
「シンプルでスケーラブル」
「モダンかつ時代を超越している」
「あらゆるデジタル画面サイズに対応」
「記憶に残るデザイン」
「ブランドとの関連性の強さ」などをあげています。
ブランド名、製品名、サービス名はブランドアイデンティティにしたがって命名される必要があり、成功する製品名には次の要素があると紹介しています。
「短い」
「簡単」
「ブランドの主要な目的に関係している」
「発音しやすい」
調査結果によると複数のプラットフォームで強力なブランドを設定することで、ブランドの認知度を最大4倍向上させることができるということです。
中でもWebサイトは最も重要なプラットフォームで、そのブランド化のポイントとして以下を紹介しています。
ソーシャルメディア、マーケティングキャンペーン、グラフィックデザインとプリントデザイン、包装デザイン、メールマガジン、ビデオマーケティングキャンペーンとコマーシャル、その他の広告など全てにおいて統一したブランドのアイデンティティを展開すべきだと述べています。
コンテンツマーケティングは有料検索の3倍のリードを生み出します。
https://www.elisedopson.co.uk/blog/b2b-content-marketing-statistics/
コンテンツマーケティングは長期的なマーケティング戦略ですが、最適なコンテンツを配信できれば、企業の信頼、忠誠心、ブランド認知を高めていくことが可能です。即時的な成果はコンテンツマーケティング には期待できませんが、時間と共にコンバージョン率があがります。
紹介した同サイトには、BtoB購入者の71%が購買プロセスの間にブログに関わっているという統計結果も紹介しています。
アメリカでは、ブログがあらゆるBtoBコンテンツマーケティング戦略において大きな役割を果たすと注目度が上がっています。
コンテンツマーケティング の関連記事もご参照ください。
BtoBでコンテンツマーケティングを成功させるために
動画を使っている企業は動画を使っていない企業よりも収益が49%速く成長しています。
http://awesome.vidyard.com/rs/273-EQL-130/images/Vidyard_Aberdeen_Impact_of_Video_Marketing.pdf
動画マーケティングの重要性は年々高まっています。今や、消費者の80%が商品を購入する時に動画が参考になると考えている時代です。
BtoBにおける動画マーケティングの注目度も上がっています。
動画の作成、公開、共有の状況が変化したことによって、動画はよりアクセスしやすく、技術によってサポートすることが可能になりました。動画コンテンツの活用率はこれからも上昇していくことは間違いありません。
Eメールの平均ROIは122%で、ソーシャルメディア、ダイレクトメール、有料検索などの他のマーケティングフォーマットよりも4倍以上高くなっています。
https://emailmonks.com/blog/email-marketing/email-marketing-statistics/
戦略的なEメールマーケティングは依然として費用対効果の高い成長の源泉です。統計結果などを参考にしてEメールマーケティングの戦略を立案してみてください。
その際には、現状分析、課題整理、目的や目標の確認、競合分析、顧客分析、KPIの設定などの検討が必要です。
戦略立案には以下の関連記事などを参考にしてください。
・【KPIとKGI】目標設定の考え方とポイント
・BtoBマーケティングで最初に取り組むべき2つのステップ
・デジタルマーケティングで成功するためのポイントと2019年のトレンド
統計結果を見ていると次のようなことがポイントとして考えられます。
上記のような統計情報や業界動向に注目しつつ、何よりもすべて顧客視点を起点として検討し、戦略を立案していくことが大切だと思います。
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