2019年以降にAIがBtoBマーケティング戦略で期待される５つの可能性

2019年10月9日

AIは私たちの生活のさまざまなシーンに変革や改善をもたらす存在となりつつあります。今後もますます発展し進化していくでしょう。

すでに、家電製品から子供のおもちゃまで、AIは私たちの日常生活で活用されています。近年、BtoBマーケティングにおいても、AIは予測分析などで効果を発揮しています。近い将来、AIがビジネスプロセスを向上させる大きな役割を果たすことは間違いありません。

企業におけるAI活用の現状

各企業の現状を調べるために、AIについて調査中、もしくは、すでに導入済みの米国企業の幹部1,000人超を対象に調査を実施したところ、全体の20％から2019年にAIを全社的に導入する計画があるとの回答が寄せられました。こうした意欲的な計画がうまく進めば、米国の多くの主要企業において、特定の部署に限らず、あらゆる事業活動がAIで強化されることになります。

「2019年AI予測 AIを活用するための6つの優先課題」より

資料によるとアメリカでは回答者の20％は、全事業部門でのAI導入を検討しているとのことです。AIがビジネスに大きな影響を与えつつあるということでしょう。

今回はAIがBtoBマーケティングに今後、大きく影響を与えていくと思われる可能性について紹介します。

1.より質の高いリードの獲得

BtoBマーケティングの分野で成長するためには、マーケティング担当者が最終的に顧客のニーズに対応し、それを満たすことが不可欠です。

マーケティング担当者は常にリードを探しています。リードは通常、顧客データを手動で調べて見つけます。ただし、これらの従来のデータ生成方法では、潜在的なリードをターゲティングする前にデータを取得、確認、分類する必要があるため、マーケティング担当者が膨大な時間を必要とします。

マーケティング担当者は、いくつかのWebサイト、CRM、マーケティングキャンペーンから取得したデータに基づいてリードジェネレーションを行いますが、マーケティング担当者がリードの特徴を把握できなければ、求めるリードと違ってしまい、投資された時間とリソースにほとんど利益をもたらさない可能性があります。

AIならWebサイト、ソーシャルメディアチャネル、連絡先データベースなどのさまざまなプラットフォームからより多くのデータを簡単に取得できます。 AIは最適なBtoBターゲットを特定する可能性が非常に高いため、営業チームと潜在顧客とのギャップを埋めることができるでしょう。

AIが販売プロセスに積極的に統合されると、生成されるリードの量と品質の両方を向上させるとともに、日常的なタスクや繰り返し作業に費やされる不必要な工数を削減できる可能性があります。これにより、マーケティング担当者はより高い責任を含む、より生産的なタスクに集中できます。 AIの助けを借りて受け取った予測に基づいて、売上の増加を効率的に管理できるようになるでしょう。

2.アカウント選択プロセスの簡素化

営業担当者は潜在的なリードを見つけるために毎日多くの時間を費やしています。これには、コールドコール、電子メールへの応答、リストの作成が含まれます。

AIをCRMデータベースやSalesforceなどの自動化ソフトウェア、およびその他のBtoBアプリケーションに埋め込むことで、日々のタスクを簡単に自動化できるため、営業担当者は今までやりたくてもできなかった事に多くの時間を費やすこともできます。これらのアプリケーションにAIを導入すると、定義済みの属性に基づいて既存および新規の顧客のアカウントを識別し、多数の理想的な見込み顧客にアクセスできるようになります。

営業担当者がより正確な選択を行うのに役立ち、より良い結果とコンバージョンにつながります。さらに、AIがより標準化されると、オフィススペースを多く消費することなく、組織にとって他の多くの利点にもつながります。

3.BtoBマーケティングのパーソナライズ化

B2BマーケティングにおけるAIのメリットの1つは、マーケティングキャンペーンのパーソナライズ化です。

AIは正確で迅速なパーソナライズされたオーダーメイドのユーザー体験を提供することができます。企業が同時に複数の見込み顧客とパーソナライズされた会話を簡単に開始できるようになるかもしれません。これらの高度にパーソナライズされたメッセージは、潜在顧客の行動に関する完全な知識に基づいているため、企業は顧客の欲求とニーズを予測できます。

AIは、特定のセクターをターゲットにするのではなく、企業が顧客を1対1でターゲットにするのに役立ちます。クライアントの興味に応じて提供される製品とサービスをカスタマイズすることにより、企業はマーケティングメッセージに対してより有利な回答を得ることができます。

AIによって生成されるパーソナライズされたメッセージは、電子メールまたはテキストメッセージだけでなく、さまざまなWebサイトやランディングページに表示されるポップアップメッセージや広告にも展開できます。修正されたメールの送信から動的な広告ニュースレターなど訪問者に基づいてウェブサイトのコンテンツを調整するまで、AIは独自にメッセージを作成することもできます。

また、AIは膨大な履歴データを収集し、適切なコンテンツを適切な人に送信する時間を分析できるため、従来のマーケティング手法よりも効果的なコンテンツ戦略を達成できます。

4.幅広いオンラインショッピングエクスペリエンス

SiriやAlexaの導入は消費者がさまざまなブランドと対話する方法を変えています。好みのブランドや既存の音声検索アプリケーションに対する消費者の期待は高まりつつあります。

AIが話し言葉の理解を深め、音声を認識するようになると、ほとんどのeコマース小売業者が音声ベースの検索を効率的に処理するために、ページの再最適化が必要となるでしょう。例えば、最近ではAmazonの音声制御ホームオートメーションスピーカーであるEchoの導入があります。ユーザーは音声検索技術を介してオンラインで購入できます。

音声ベースの検索とは別に、AIは幅広いパーソナライズされたショッピングエクスペリエンスを提供する可能性もあります。アメリカでは複数の企業が顧客に仮想空間での買い物を提供する準備をしています。AIの助けを借りて、これらの個人的な買い物客は個人の好みや買い物習慣について学習することで、顧客向けの商品をキュレーションします。

ブランドがこれらの新しいオンラインショッピングトレンドをどのように統合して、包括的な音声ベースおよびパーソナライズされた仮想ショッピングエクスペリエンスを顧客に提供するかは今後、注目です。

5.簡略化されたSEO

非常に魅力的なコンテンツの作成はAIができないスキルの1つですが、AIは主要な検索エンジン向けにコンテンツを最適化することについては期待できます。

マーケティング戦略の大部分は、多くの時間と手作業を必要とします。これにはSEOのキーワードの特定、バックリンクの作成、キーワードの要約とタグ付け、既存のコンテンツを発見するための自社分析、市場動向の分析、競合他社の洞察などが含まれます。

AIはこれらのプロセスを改善し、データパターンをより効率的に解釈し、混乱のない高品質の情報を提供できます。AIの進化により、時間と手間のかかるSEOタスクがより自動化され効率的になり、マーケティングコンテンツが作成されます。AIが複雑なタスクをより単純なタスクに分解できることで、タスクの処理とマーケティング担当者が費やす全体的な時間を短縮できます。その結果、マーケティング担当者はユーザーエクスペリエンスにさらに集中し、エンゲージメント率を高めることができます。