COLUMBUS PROJECT

収益向上のためのリードナーチャリング戦略を立案する方法

2019年10月23日

インターネットが普及してから買い手側は企業と連絡を取る前に製品やサービスを調査し、評価するために時間をかけています。そのため、BtoB企業はリードが契約・購入に至るまで関わり続け、関係を構築する方法を見つける必要があります。

これは、「リードナーチャリング」として知られています。

買い手とののより強い関係を構築し、より高い注文価値を生み出そうと考えているなら、ビジネスの戦略として今こそリードナーチャリングを検討する時ではないでしょうか。

リードナーチャリングとは

リードジェネレーションによって得た見込顧客が、実際に商品を購入する段階まで長期的に育成していくマーケティング手法。

購入を検討はしているが実際に購入に至っていない顧客に対し、メルマガの配信、キャンペーン、セミナーの開催などで定期的に情報発信、コンタクトを取り、良好な関係性を築きながら購買意欲を徐々に高めていく手法である。

ENGINEマーケティング 用語集 「リードナーチャリング」より

 

なぜリードナーチャリング戦略が必要なのか?

リードナーチャリングは潜在顧客、見込み顧客とのエンゲージメントを高め、ビジネスでの関係を開始する可能性を高めるのに役立ちます。

アメリカの各調査結果でもリードナーチャリングの必要性を訴えています。

リードナーチャリングに優れた企業は33%の低コストで販売前に50%以上のリードを生成することができます。(Forrester Researchより)

成熟したリードジェネレーションおよびリード管理を持つ企業は、販売ノルマ達成率が9.3%高くなっています。(CSO Insightsより)

数年前まではリードの明確な定義だけで十分 だと思われていましたが、今や、リード・ジェネ レーションの有効性を推進するには、リードから セールスへの引渡しに至るまでナーチャリングしな ければならないことは明白です。

(2018年 セールスパフォーマンス調査 「Selling in the Age of Ceaseless Change」より)

 

リードナーチャリング戦略を開始するためのステップ

リードナーチャリングには時間と労力がかかります。 リードナーチャリング戦略実施に役立つ6つのステップを紹介します。

1.マーケティングとセールスによるリード定義の共有

アカウントベースのマーケティング戦略と同じように、最初にとらなければならないステップは、マーケティングとセールスが最初にリードの定義について合意する必要があります。

リードが販売プロセスに入る準備ができている場合、そのリードは営業担当者に送られてCRMで処理されます。 リードが販売プロセスに入る準備ができていない場合、そのリードはマーケティングが担当し、リードナーチャリングプロセスに入ります。そこでリードは販売準備が整うまで、企業との関係を築いていきます。

2.リード管理プロセスを定義する

リード管理プロセスの構築はセールスチームが最も適格なリードと話し合うために、販売準備が整っていないリードをリードナーチャリングプログラムに移行できるようにするのに役立ちます。

リード管理プロセス構築のためには以下のような項目を確認しながら進めると良いでしょう。

  • リードを「どのように」「どこで」登録するか
  • リードをどのように認定するか
  • いつリードをフォローアップするか
  • リードが満足させるにはどうすべきか

この時、プロセス全体について話し合い、同意するためにセールスチームとマーケティングチームとの密な連携が必要です。具体的には2つのチームが一つの部屋にいて、常にコミュニケーションが取れることが理想的かもしれません。

さらに、CRMの担当者も話し合いの場に必ずいるか、同じ部屋にいるとスムーズです。ほとんどの場合、CRMシステムにリード情報を登録します。CRMの担当者との連携が密であれば、やりたいことが可能かどうか、または追加の支援が必要かどうか、などをすぐにマーケティングチーム、セールスチームにつたえることができます。

3.リードのデータを収集する

リードナーチャリングはパーソナライズされた情報を共有して、購入者の心を常に掴んでおくことです。 そのためには購入プロセスの各段階でどのタイプのリードが必要で、どのような種類の情報が必要なのかを適切に把握する必要があります。

情報収集の一例

  • 見込み顧客や顧客へのインタビュー
  • 顧客の特性を特定する
  • キーワードリサーチを使用して関心のあるトピックを特定する
  • ソーシャルメディアサイトでのアクティビティの監視

情報を収集したら、見込み顧客を反映したペルソナを作成します。

ペルソナとは

自社製品やサービスを購入・使用する理想の顧客像のこと。

年齢、性別、居住地、職業、年収、家族構成といった基本データから、生い立ち、性格、身体的特徴、口癖、趣味嗜好など、ありとあらゆるデータを含め、あたかも存在するような架空の人物を作り出す。

この「ペルソナ」が満足するであろう商品やサービスを設計・開発したり、マーケティング分析に利用することを「ペルソナマーケティング」と言う。

ENGINEマーケティング 用語集「ペルソナ」より

ペルソナを作成したら、チームでコンテンツマッピングのワークショップを実行します。 ペルソナを配置してから、認識から評価、決定までのさまざまな段階に応じて必要な種類のコンテンツをブレインストーミングします。

BtoBのペルソナ設定については、こちらの記事「BtoBでコンテンツマーケティングを成功させるために」も参考にしてください。

4.リードナーチャリングコンテンツプログラムを作成する

リードとの関係を維持するために、コンテンツのタイムラインを作成して、いつ何を送信するかを管理しておくことをお勧めします。

5.メールマーケティングを使用してメッセージを伝える

コンテンツのタイムラインを設定したら、メッセージを発信する最も簡単で効果的な方法は、メールマーケティングを使用することです。

以下は、リードを生成するために使用できる5つのBtoBメールマーケティングです。

  1. 教育用コンテンツ
  2. メールニュースレター
  3. デモ/製品発表
  4. 展示会・セミナー・イベントへの招待
  5. 個人用メール

これらのさまざまなタイプを使用して、包括的なリードナーチャリングコミュニケーション計画を構築します。このさまざまな種類の電子メールを作成するときは、再利用できるテンプレートを作成して、電子メールマーケティング活動全体で一貫したルック&フィールを維持しておくと運用しやすいと思います。

6.追跡、測定、分析

企業ブランドや認知度を高めたい場合は、ブランド検索を測定するか、ウェブサイトへのトラフィックを確認します。リードやメールのオプトインを増やしたい場合は、リードナーチャリングの取り組みからデータベースをどのように成長させているかを測定します。リード品質を測定して向上させたい場合は、時間の経過に伴うコンバージョンを確認し、マーケティングリードがセールスリードに変わる数を測定します。

セールスチームに引き渡されるリードの数、リードナーチャリングプログラムに参加するリードの数も必ず測定してください。

どのタイプのコンテンツが最も多くのリードを生成するか、コンテンツの品質を評価します。

見込み顧客がどのように情報を受け取っているかをセールスチームに尋ね、コンテンツについてどう思うかを尋ねます。この情報はすべてリードおよびコンテンツ生成プロセス全体の改善に役立つはずです。

 

最後に

販売につながるリードの育成には時間がかかります。

リードの育成は、販売およびマーケティングの最も重要な機能の1つですが、それでも何らかの形で見過ごされがちです。関連部署だけでなく、会社全体の協力と多くの努力が必要ですが、努力する価値はあります。まずは戦略立案の第1ステップである、リードの定義のために、これまでの顧客や見込み顧客についてデータの洗い出しや、分析、調査などからスタートしてみると良いかもしれません。

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