COLUMBUS PROJECT

インサイドセールスで失敗しないために【PART2】

2019年11月15日

インサイドセールスの組織を編成する

インサイドセールス導入の目的を振り返れば、社会の構造の大きな変化が一因であるとも言えます。デジタル技術の浸透によって社会やビジネスは急速に変化と成長をしています。その流れの中でインサイドセールスはBtoB企業の中で注目されています。
このスピードにうまく対応できるための組織づくりが求められています。
 

組織編成のポイント 「アジャイル型組織」

アジャイル(Agile)とは英語で「機敏な」「俊敏な」という意味です。
主にソフトウェアの開発手法の一つとして取り入れられてきました。初めから完全な形ではなく、テストと改善を細かく繰り返して作り上げる手法です。
別の開発手法としてウォーターフォール型があります。
ウォーターフォール型は滝のように流れ落ちる水の如く、後戻りせずに初期段階で完成形と要件定義を固め、そこに向かって着実に進めていく手法です。この方法の場合、最終的な完成形が決まらないと着手できないので組み立てに時間がかかります。また、開発途中での変更や追加が難しいのも特徴です。
対してアジャイル型は短時間でPDCAを繰り返し、改善や変更を重ねて徐々に開発を進めていくので変化に対応しやすいという特徴があります。この、アジャイル型を使った組織形態がソフトウェア開発だけでなく、様々なビジネスで取り入れられています。
 

アジャイル型の主な特徴

  • 機動性を重視
  • 完成度が不十分でもテストケース的に市場に出す
  • 市場からのフィードバックで軌道修正する

 

アジャイル型組織

アジャイル型の組織で代表的なのは音楽ストリーミングサービスSpotifyを提供するスウェーデンの企業、スポティファイ・テクノロジー社で、「Spotifyモデル」とも呼ばれて、様々なところで紹介されています。
Spotifyでは自律性を重視して小単位のアジャイル・チームが製品計画から開発・テストを実施します。この小単位のチームは「Squad」と呼ばれ、Squad間で協力が必要な場合は、同じ役割を担う人同士でコミュニケーションを取り合います。複数の「Squad」と横串で情報共有をする「Chapter」という組織をまとめて「Tribe」を構成し、一つの製品群を産み出していくそうです。さらに、研究会やサークルのような位置づけでどの組織構成にも当てはまらない自発的なグループもあります。
参考: https://blog.crisp.se/2012/11/14/henrikkniberg/scaling-agile-at-spotify
 

アジャイル組織の特徴

  • 少人数のチーム
  • 計画、構築、テスト、実行まで行う
  • 主体性を重視
  • 多分野、多機能な人材
  • オープンなコミュニケーション
  • 短時間の作戦会議の実施
  • 迅速な意思決定

アジャイル型組織はいわば、フラットなチームの集合体です。効率的に計画、設計、プロセスを形成できるために市場の変化に対応できます。また、少人数だからこそ意思疎通を素早く行うことができるのもメリットです。
 

アジャイルアプローチの5つのポイント

1)柔軟な対応

アジャイルを取り入れたからといって一晩で変わるわけではありません。価値の提供、頻繁なチェックと改善、変化への適応などを繰り返すことで、チームそのものが高性能に機能していきます。アジャイルとはフィードバックループを増やし、ニーズに焦点を当てることにより、変化に柔軟かつ適応することです。

2)ビジョンの明確化

明確に書かれたビジョンと明確に定義された目標を組み合わせることで、チームの生産性は最大化します。 チームは最も無駄な作業を最小限に抑えながら、最も価値のあるタスクを設定できるはずです。完了基準の明確化、頻繁なフィードバックは各人のパフォーマンスに重要な役割も果たします。

3)コミュニケーション強化

アジャイルアプローチには頻繁なコミュニケーションが必要です。疑問に思ったことや問題が発生したらその場で話したり、フィードバックするなどオープンな会話を毎日続けること。短時間でも定期的なミーティングを開催することでチーム間の信頼が生まれます。

4)評価と分析、改善

インサイドセールスでありがちなのが、行動量を評価の対象にしたことで量に重点を置き過ぎてしまうことです。架電数やアポイント数を評価指標にすることで、フィールドセールスにまだ渡すべきでないリードを引き渡してしまえば、セールス全体の質を落としてしまいます。
例えば、インサイドセールス チームがリードを見極めてアポイントを取ることができれば、アポイント獲得数が減ったとしても商談数がUPするということも可能です。
質を上げるための支援、質が上がらない理由の分析も行うことが大切です。

5)粘り強いリードナーチャリング

インサイドセールスで対応するリードの中にはニーズが健在しているリードだけでなく、反応が今一つの相手もいます。こうしたリードを簡単に切り捨てずに、フォローアップを重ねて長期に関わっていくことも大切です。
 

まとめ

全く経験者がいない中でインサイドセールスを導入して、なかなか結果が出ずに困っている、という企業もいるかもしれません。仕組みやツールももちろん大切ですが、インサイドセールスを軌道に乗せた人達は「一人ひとりの意識を変えていくことが大事」だということでした。PDCAを素早く回していくためには「軽やかな組織」が必要です。そのためには関係者一人ひとりが主体的に動く必要もあるからです。自主性を重んじながら同じ目標に向かってフラットな組織構造をどう作り上げていけるか、が鍵を握っていると言えます。

ページTOP▲